おととい掲載した「庭のセミ」の続き、というか庭のセミについての別の発見です。
まず、庭の地べたに開いたセミの穴の写真を載せますね（穴の右側の植物は、キク科のトキンソウです。小さな花が咲いた後、花を押すと中から黄色い果実が出てくるので吐金草なのだそうです）。

ほかにもいくつか開いているセミの穴を見ていたら、アリが出入りしている穴がありました。
セミの穴をアリが巣穴として利用したのか、セミが地上に出て行くときにアリの巣穴とドッキングしてしまったのか、さて、どちらなのでしょう？

さて、本題です。
次の写真は、羽化の途中で殺されたアブラゼミの死骸です（少々ショッキングに思う人がいるかも知れません）。
いやぁ、自然というものは残酷なものですねぇ。

まるで、映画『エイリアン』の冒頭に出てくる、内側から食い破られた異星人の死骸のようですね。
私もはじめは、セミの幼虫の体内に居た寄生バチか何かが、内側から食い破って出ていったのかと思いましたが、よ〜く観察してから、考えを変えました。

幼虫の殻（表皮）に開いた穴のほうが、その中の、成虫の表皮に開いた穴よりも大きいので、外から食い破られたのだと考えられます。
また、割れた幼虫の殻からのぞいている成虫の背中にも穴が開いています。
セミの胸には筋肉と共鳴用の空洞しかないはずですから、そこにハチなどの幼虫が居て、背中から出てきたとは考えにくいのです（素人考えですから、外しているかも知れません）。

では、羽化途中のアブラゼミを殺害した犯人は、いったいナニモノでしょう？
……私の推理では、犯人はスズメバチです。その理由は……

• セミの体に開いた穴の大きさが、キイロスズメバチの頭くらいであること
• 以前、クモの巣にかかったセミを、生きたままバリバリ食いちぎっているスズメバチを見たことがあること

犯人を確認するには、まずは朝早く起きて羽化途中のセミを見つけなくてはなりません。
でも、もう夏も終わり、羽化するセミも居なくなってしまいました……。
……ということで、また来年の課題が増えてしまいました。

(2003/09/07)