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ルークはジェダイの騎士になれない！

映画『スター・ウォーズ　エピソード１　ファントム・メナス』の中で、ジェダイ・マスターのクワイ＝ガン・ジンは、アナキン・スカイウォーカーの血液を調べ、細胞中のミディ＝クロリアン共生体の数がヨーダをしのぐほどであることに驚きます。

どうも、このミディ＝クロリアン共生体が、宇宙にみなぎるフォースとやらを感知し、利用するためのカギとなっているようです。

ところが、ジェダイの素質を決定するのが細胞内共生体であるとしたら、『スター・ウォーズ』三部作の設定はまるっきりひっくり返ってしまうのです。すなわち、アナキンの息子、ルークはジェダイの騎士になれなかったのではと考えられるからです。

さて、細胞内の共生体と言えば、酸素呼吸をするほぼすべての生物がもつミトコンドリアが思い浮かびます。また、緑色植物のもつ葉緑体も、細胞内の共生体です。

ヒトの遺伝形質は、父親と母親の両方から受け継がれます。ところが、ミトコンドリアは母親だけから受け継がれます。子が父親から受け継ぐのは、精子の核に含まれる遺伝子のみです（父親の細胞質のミトコンドリアは、卵細胞の中には入りません）。

ミディ＝クロリアン共生体もミトコンドリアと同様と考えれば、ジェダイの素質は常に母親から子へと細胞質遺伝することになります。 ジェダイの素質が細胞質遺伝するなら、子がジェダイになれるかどうかは、父親とは無関係ということになります（運動能力や性格を除けば、ですが）。

クワイ＝ガン・ジンは、アナキンの母親に、父親は誰だと聞いていましたが、どうも、ジェダイは遺伝学には疎いようです。父親は関係ないのに。それに、育ちすぎのアナキンではなく、母親を連れて帰って、もっと子供を産んでもらった方がよかったのでは？　優秀なジェダイの血統を育てようと思ったら、是非とも女の子も産んでもらわないと困るし……なんだか、家畜の育種みたいですけどね（優生学的で危険だなぁ）。

う〜ん。ちょっと待てよ。ルークの母親、つまりアナキンの妻となるアミダラ女王もまた、ヨーダをしのぐほどのミディ＝クロリアン共生体保持者であったとすれば、ルークにジェダイの素質が遺伝しますね。しかし、そんなにゴロゴロいたんでしょうか、ジェダイの騎士の素質を持った人。他人の意志をねじ曲げたりできる人がそこいら中にいるなんて、なんだか、気持ちの悪い世界ですねぇ。

(2002/02/26)

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