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KLEZ顛末記（くれずてんまつき）

記録として残しておこうと思いつつ、ずっと手が着けられずに居いたのですが、まだ KLEZ が流行っているようなので、書いておきます。

2002/06/11
「A new game」という表題（Subject:）のメール着信。
実行可能なプログラム（EXEファイル）が添付された、心当たりのない人からのメールなので、ウイルスメールだと考え、Trendmicro のサイトで確認。
表題やファイル名から、流行中の KLEZ.H と判明。
メールは添付ファイルもろとも削除。

KLEZ は感染したPCの OutlookExpress などのアドレス帳から任意の宛先（To:）を選び、差出人（From:）もアドレス帳の任意のアドレスを選びます。
そのため、本当の送信者、つまりウイルス感染者が誰かわかりにくいのです。

そこで、メールヘッダを調べてみました。
私が使っているメールソフト（メーラー、Ｅメールクライアント）は AL-Mail32 です。
AL-Mail32の場合、[メールVIEW]ウィンドウのツールバーにある[全ヘッダ表示]ボタンか、[表示]メニューの[全ヘッダ表示]を選択すると、メールヘッダが表示されます（さて OutlookExpress をお使いの皆さん、メールヘッダを見たいときにはどのように操作をすればよいか、知っていますか？）。

メールヘッダには、表題（Subject:）、宛先（To:）、差出人（From:）のほか、送信したメールソフト（X-Mailer:）、経由したサーバなども含まれます。
そして、宛先不明のときにメールを戻すアドレス（Return-Path:）に、見覚えのあるアドレスがありました。
この友人は OutlookExpress を使っているのです（つまり、ウイルスの餌食だったわけです）。
おまけに、CATV接続なので、PCを起動している限り、ウイルスをばらまき続けてしまうわけです。

そこで、その友人の（PC用のアドレスではなく）携帯電話のメールアドレスあてに、ウイルスに感染していないか確認するよう、メールを送りました。

2002/06/13
友人から「失礼しました」と返信あり。
また、Nifty の mailer_daemon（メールサーバ管理ソフト）から私が知らない人宛に出したメールが届けられなかった、なんて通知が来る。
だから出したのは私じゃなくて、友人のPCに潜んでいる KLEZ だってば。
念のため、自分のPCのウィルスバスターのパターンファイルを最新版にした後、全ドライブのウイルスチェックを実施。
InternetExplorer のバージョンも 5.5SP2 にアップグレード。
2002/06/17
この友人には仕事用のメールアドレスも教えておいたので、会社にもウイルス付きのメールが来る。
もっとも、会社のPCにはウイルスバスターの企業版が入っているため、メールを開く間もなく削除されてしまうので、ウイルスには感染しない（会社でも AL-Mail32 を使用）。
友人に再度問い合わせたら、Outlook を使わなければ大丈夫だと思っていたらしい。
KLEZ は厳密にはウイルス（プログラムに感染して発症するもの）ではなく、独立したプログラムで、単独でメールを送信する能力を持っていることを知らせる。 　
2002/06/21
まだウイルス付きのメールが来るので、ウイルスの駆除を実施したかどうか、友人に問い合わせ。
2002/06/23
TrendMicro のサイトから駆除ツールをダウンロードして実行したと連絡あり。
駆除ツールが FIX_KLEZV405.EXE であることを確認し、駆除後、再度全ドライブのウイルスチェックを実施するよう勧める。
2002/06/24
ウイルス付きのメールが来なくなったことを確認。

……という具合に、２週間におよぶ闘い（といっても、闘ったのは友人で、私は離れたところからチェックしていただけですが）は終わりました。
このできごとから、Internet Explorer と OutlookExpress という最も普及しているソフトのセキュリティの弱さと、CATVなどの常時接続の普及がウイルスの感染にとって都合が良いものであることがよくわかりました。

Outlook Express を使わないことも、ウイルス対策の一つなのですよ（AL-Mail のようなテキストベースのメーラーを使っていれば、HTMLメールを送っちゃって恥書くこともないですし）。

【付録】KLEZ.H が送ってきたメールの表題一覧

(2002/09/09)

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