１年半にわたって使い続けてきた Palm Vx が死んでしまいました。

いや、正確には、クレードルに置いて通電すれば使えるので、半死半生の状態です。
Palm はいわゆるPDA（Personal Digital Assistant）、つまり手のひらサイズのモバイルコンピュータです。
そのモバイル（mobile：移動可能な、携帯できる）コンピュータが、充電・データ転送用のクレードル（cradle：直訳すれば「揺りかご」）に置かないと使えない、ということは、ほぼ死んだのも同じです。

会社で打ち合わせの予定を入力している最中に、いきなり表示が消えてしまいました。
日本語入力（ATOK Pocket）とほかのアプリケーションのコンフリクトがたまにあるので、リセットボタンを押して復旧させようとしましたが、反応がありません。

最後の手段、と思ってアプリケーションとデータをクリアして初期状態に戻す「ハードリセット」を行いましたが、これまた反応なし。

家に帰って、クレードルにセットすると起動できたので、アプリケーションとデータを、PCのバックアップから書き戻しました。
ところが、クレードルから外して電源ボタンを押しても、何も反応がありません。

これは困りました。
スケジュール管理、備忘録、アドレス帳、関数電卓、英和・和英辞書、テキストリーダなどとして毎日使っていたので、予定の確認から社内報の記事のネタから、持ち歩いていた情報にアクセスできなくなってしまったのです。
（テキストリーダは、青空文庫の『寺田寅彦随筆集』をダウンロードして、出張のときなどに読めるようにしたばかりでした。）

Palm のサポートにメールで問い合わせ、原因切り分けのためのテスト方法を教わって、三往復ほどのメールのやり取りの後、ハードウェアの不具合が疑われる、ということになりました。
（丁寧にサポートしていただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。）

そして、有償で良品交換してくれる、ということだったのですが、Palm Vx は現在キャンペーン価格で安く手にはいるはずなので、ちょっと調べることにしました。

ところが、どこにも売っていません。

そこで、悩んだ挙げ句、１年半前に凍結（？）した、「システム手帳＋ロットリング」システムを復活させることにしました。
アナログに回帰したわけです。

検索性能は一挙に落ちることになりますが、Palm では満足できなかった機能も復活できます。

それは、「落書き」です。
「アイデアメモ」と言っても良いでしょう。
思いつきを図入りで書き、それをタイミングよくデジタル化できれば、ある程度損失を補えそうです。
うまい思いつきをこの場で披露することができるでしょうか……。

(2002/07/16)