まず、最初の答。
イチゴは、野菜です。
これはまぁ、何を野菜と言い、何を果物と言うかという、言い方の違いによりますけどね。
果樹（かじゅ）つまり木にみのる実が果物、草にみのる実が野菜、ということになっているのです。
そこで、リンゴやモモやクリやカキは果実ですが、イチゴやスイカは野菜です。

もうひとつの答は、ちょっと難しいですね。
ストロベリー（イチゴ）は草ですが、ラズベリー（キイチゴ）とブルーベリーは木ですからね。
ということで、どちらもストロベリーの仲間ではありません……などというオチではダメですよね。
花の写真を見てみましょう。

上の写真はウチの庭で野放図に殖えつつあるワイルド・ストロベリーの花です。
付け根の部分が離れた５枚の花びらがあります。
ストロベリーはバラ科（双子葉植物離弁花類）の植物です。
なお、上の写真では、右のほうから隣りの株のストロンが伸びています。
ストロン（stolon）は匍匐茎（ほふくけい）とも言い、土に接する節から根を出します。
こうしてドンドン殖えていくのですが、ストロンの先の節の部分が独立して新しい個体になっても、それは親の株と遺伝的にはまったく同一です。
つまり、クローンですね。
ちなみに strawberry という名前の由来も、細い茎を伸ばすことのようです。

次に、ラズベリー……の花の写真はないので、近所の公園の裏で見かけたキイチゴの一種、ニガイチゴの花の写真です。
やはり、付け根の部分が離れた５枚の花びらがありますね。
キイチゴの類も、バラ科（双子葉植物離弁花類）の植物です。
初夏の里山を歩くと、ニガイチゴのほかモミジイチゴ、クマイチゴなどたくさんのキイチゴを見る……食べることができます。
どれも、汁気たっぷりのツブツブの中に、種子が入っています（ニガイチゴは、実は甘いけれど種子が苦い）。

では最後に、ブルーベリーの花。
見たことあります？　こんな花です。

花びらが５枚あるのですが、くっついていて釣鐘（つりがね）か壷（つぼ）のような形ですね。
似た花を見たことはありませんか？

上の写真は、玄関先のドウダンツツジの花です。
花の柄（え）の長さは違いますが、花の形は似ています。
それもそのはず、ブルーベリーはツツジ科（双子葉植物合弁科類）の植物なのです。
ツツジの仲間なのにジューシーな実を付けるということが意外ですか？
コケモモやガンコウランといった高山植物を思い出してください。
コケモモやガンコウランも、berry（漿果：しょうか）を付けるツツジ科の植物なのです。

ということで最後に、早く味わいたいなぁ、と思うモミジイチゴの写真です（だいぶ前に撮った写真ですね。どこで撮ったのやら、もう覚えていません）。
モミジイチゴ、おいしいからサルと取り合いになるのですよねぇ。
……いや、直接ケンカするわけではなく、早い者勝ちになるってことですよ。

(2004/05/04)