問題はいかにも怪しげでしたが、解答解説は大真面目ですからね。
答えは3番目のコンソールの下です。

クルマの後ろに反射式のお守りを貼っておくと、いかにも「安全そう」ですが、どうでしょう？
でも、クルマの後ろって、本人は見ませんよね。
貼ったら貼りっぱなしで、あとは
「お守り付けたんだから守ってもらえるだろう」
「後ろを走るクルマの人が気にしてくれる目にとまるだろう」
……というような、他人任せな感じがしませんか？

私は、反射式のお守りを貼り付けたクルマの後ろを走るときには、急停車や急な右左折を警戒します。

では、ルームミラーにお守りを吊るす、というのはどうでしょう？
……もちろん、これが最も危険ですね。
フロントウィンドウの外の風景とは異なるベクトル（方向と速さ）で動くものに「慣れてしまう」からです。
つまり、飛び出してきた歩行者などに気付かなくなるように訓練しているようなものです。
これでは、「お守り」とは言えませんね。ただの危険物です。

運転しているとき、あるいは歩いているとき、自転車に乗っているときなどに、ルームミラーやフロントウィンドウにお守りやアクセサリーを吊るしているクルマを見かけたら、
「危険なヤツ」
と思ったほうがよいでしょう。

さて、コンソールの下がなぜよいかというと、運転中は目に入らないからです。
そして、信号待ちなどのときにオーディオやエアコンを調整しようと目をやると、ふとお守りが目にとまり、そのお守りに託された家族らの思いに応えよう、安全運転しようと思いを新たにする、となるわけです。
このように「ときどき」目にとまる、ということが、常に視野に入っているよりもよいのですね。
ヒトは、進化の過程で「見慣れたものを無視する」ようにプログラムされた動物なのですから（じつはヒトに限らないのですけどね）。

(2004/02/11)