台風6号が通り過ぎ、雲が切れて日が射すと、部屋の中に居られなくなって近くの公園に出掛けました。
草むらの上に、台風に向かって吹き込む南西の風がその跡を残していきます。
風に向かって手のひらを突き出せば、指の間を風が通りすぎていきます。
風は、気圧の高いところから低いところへと移動する空気の流れです。
手のひらの表と裏の間に気圧の差が生じているのだと思うと、ちょっと不思議です。
台風という地球規模の風、木の葉を散らし草をなびかせる風、指の間を通り過ぎる風。
同じメカニズムでありながら、異なるスケールで起こる現象は、自然のあらゆるところで見られます。
カオスとかフラクタルとか……もう一度大学で学べるなら、複雑な現象の背後にあるものを探ってみたい気もします。
普段の仕事がインドアなので、どうにも風が恋しくなることがあります。
このところ、午後3時頃、雨が降っていなければ会社の屋上に上がり、風に吹かれながら首や腕を回してほぐしています。
目の前のCRTを長時間見つめていたあとでは、なかなか雲や遠くの山にピントが合わなかったりします。
そういうとき、職業の選択を誤ったかなぁ、などと考えてしまいます。
ある日、ふと足元を見るとタマムシの死骸が。
まぁ、屋上にタマムシが落ちているようなところにある会社に勤めているだけでも、よしとしますか。
(2002/07/19)